ウォーターマークの設定(管理者向け)

カメラ映像に録音中の表示を重ねる機能を組織に展開する手順です。

ウォーターマークをワークスペース全体で有効にすると、所属する利用者が文字起こしをしている間、カメラ映像に文字起こし中であることを示す表示が出ます。作業は3つに分かれます。前提となる自動チャット通知を有効にすること、ワークスペースで機能を有効にすること、各端末にカメラをインストールすることです。

Enterpriseプラン

補足

動作条件は macOS 14.0 以降または Windows 11 です。この条件を満たさない端末を使っている利用者には適用できないため、展開前に対象端末のOSバージョンを確認してください。設定にはPulseのワークスペース管理者権限が、カメラの事前承認にはMDMの管理者権限が必要です。

対象となる方

この記事は、ワークスペース全体に適用する管理者向けです。個人の端末での設定手順とトラブルシューティング(カメラ一覧に出てこない、表示が切れる、文字起こしが止まる、など)はウォーターマークの設定(利用者向け)にまとめています。そのまま社内に共有していただけます。

ワークスペース設定に「お問い合わせ」と表示される場合

設定 > ワークスペース > 一般 > 透明性 > チーム向けのウォーターマークを開いたときに「お問い合わせ」ボタンが表示される場合、この機能はまだワークスペースで利用できる状態になっていません。tharada@the-unchain.com までご連絡ください。有効化までの間は、個人設定からご自身の端末で機能を試すことができます。

1. 自動チャット通知を1つ以上有効にする(必須)

ウォーターマークのセットアップを始めるには、ワークスペースで自動チャット通知のいずれか(Google Meet、Zoom、Microsoft Teams のうち1つ以上)が有効になっている必要があります。

この前提条件があるのは、会議の途中で利用者がカメラをオフにした場合の扱いのためです。Pulseが文字起こしを続けられるのは、その会議ですでに告知が行われているとき、つまり自動チャット通知が送信済みであるか、会議の前半でウォーターマークが表示されていた場合に限られます。自動チャット通知を併用しておくことで、カメラをオフにした利用者の文字起こしが途中で止まる事態を減らせます。

2. ワークスペースで有効にする

  1. Pulseのデスクトップアプリで、設定 > ワークスペース > 一般 > 透明性 > チーム向けのウォーターマークを開きます。
  2. 「セットアップ」をクリックし、案内に沿って設定を進め、「全利用者に適用」をクリックします。
図画面キャプチャ: ワークスペース設定のウォーターマークページ

「チーム向けのウォーターマーク」の設定画面で、機能を有効にするボタンが表示されている状態。

有効にすると、所属する利用者が次にPulseを開いたときに、1回だけのセットアップ画面が表示されます。セットアップを終えたあと、会議アプリのカメラをウォーターマーク付きのものに切り替えるまで、文字起こしが止まることがあります。利用者は個人の環境設定からこの機能を解除できません。

注意

有効化の直後は、利用者が会議中に「文字起こしが止まる」状況に遭遇しやすくなります。カメラの切り替えが済むまでの移行期間があることを見込んで、重要な会議が集中する時期を避けて展開してください。周知を先に行い、数日の猶予を置いてから有効にすることをおすすめします。

3. 各端末にカメラをインストールする

利用者が自分でインストールすることもできますが、その場合は管理者権限やパスワードの入力を求められます。MDMを使ってあらかじめ承認しておけば、利用者側の確認画面をなくせます。以下の記述例は出発点です。実際の配布方法はお使いのMDM製品によって異なります。特定のMDMでの手順についてご相談がある場合は tharada@the-unchain.com までご連絡ください。

Pulseのカメラは、アプリに同梱されたシステム機能拡張(system extension)として提供されます。管理者承認の確認を省くには、com.apple.system-extension-policy の構成プロファイルでシステム機能拡張を事前承認します。以下は .mobileconfig の記述例です。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
    <key>PayloadContent</key>
    <array>
        <dict>
            <key>AllowedSystemExtensions</key>
            <dict>
                <key>〔チームID〕</key>
                <array>
                    <string>〔カメラ機能拡張のバンドルID〕</string>
                </array>
            </dict>
            <key>PayloadDescription</key>
            <string>ウォーターマーク用カメラの機能拡張を事前承認します。</string>
            <key>PayloadDisplayName</key>
            <string>System Extensions</string>
            <key>PayloadIdentifier</key>
            <string>jp.example.allow-watermark-system-extension.system-extension-policy</string>
            <key>PayloadOrganization</key>
            <string>〔組織名〕</string>
            <key>PayloadType</key>
            <string>com.apple.system-extension-policy</string>
            <key>PayloadUUID</key>
            <string>168c05f4-cd15-48e7-88be-65bbbfb4c275</string>
            <key>PayloadVersion</key>
            <integer>1</integer>
        </dict>
    </array>
    <key>PayloadDescription</key>
    <string>ウォーターマーク用カメラの機能拡張を事前承認します。</string>
    <key>PayloadDisplayName</key>
    <string>Allow watermark camera system extension</string>
    <key>PayloadIdentifier</key>
    <string>jp.example.allow-watermark-system-extension</string>
    <key>PayloadOrganization</key>
    <string>〔組織名〕</string>
    <key>PayloadScope</key>
    <string>System</string>
    <key>PayloadType</key>
    <string>Configuration</string>
    <key>PayloadUUID</key>
    <string>3b87b9e6-056c-4caa-bb09-63e684c5ae8d</string>
    <key>PayloadVersion</key>
    <integer>1</integer>
</dict>
</plist>

プロファイルを適用すると、利用者は管理者権限なしでカメラをインストールできます。Pulse上で1回だけのセットアップを進めるだけで済みます。

Windows では、カメラのインストールにあたって HKLM\SOFTWARE\Classes\CLSID 配下へのレジストリ書き込みが必要で、この操作には管理者権限が必要です。以下は、必要なレジストリキーを作成するスクリプトの例です。端末のキッティング時にMDMから SYSTEM または管理者として実行すれば、利用者に管理者権限の確認画面が表示されなくなります。

# ウォーターマーク用カメラの COM サーバーを登録します。
#
# Frame Server が DLL を見つけられるよう、CLSID の InprocServer32 エントリを HKLM に書き込みます。
# 管理者として実行する必要があります。

$ErrorActionPreference = "Stop"

# 管理者権限の確認
$isAdmin = ([Security.Principal.WindowsPrincipal] [Security.Principal.WindowsIdentity]::GetCurrent()).IsInRole(
    [Security.Principal.WindowsBuiltInRole]::Administrator)
if (-not $isAdmin) {
    Write-Host "Error: This script requires Administrator privileges."
    exit 1
}

$ClsidKey = "HKLM:\SOFTWARE\Classes\CLSID\{〔CLSID〕}"
$InprocKey = "$ClsidKey\InprocServer32"
$DllPath = Join-Path $env:PROGRAMDATA "〔インストール先フォルダ名〕\VirtualCamera\VirtualCameraMediaSource.dll"

# CLSID キーを作成
New-Item -Path $ClsidKey -Force | Out-Null
Set-ItemProperty -Path $ClsidKey -Name "(Default)" -Value "VirtualCameraMediaSource"

# InprocServer32 サブキーを作成
New-Item -Path $InprocKey -Force | Out-Null
Set-ItemProperty -Path $InprocKey -Name "(Default)" -Value $DllPath
Set-ItemProperty -Path $InprocKey -Name "ThreadingModel" -Value "Both"

# 登録結果を確認
if (-not (Test-Path $InprocKey)) {
    Write-Host "Error: COM registration verification failed."
    exit 1
}

Write-Host "COM server registered successfully."
Write-Host "  DLL: $DllPath"
exit 0

スクリプトの実行後は、利用者が管理者権限なしでカメラをインストールできます。Pulse上で1回だけのセットアップを進めるだけで済みます。

編集注記

プレースホルダーにはPulseデスクトップアプリの実際の値を記載してください。本記事では実在の識別子を記載していません。macOSの〔チームID〕は署名に使われている Apple Developer チームID、〔カメラ機能拡張のバンドルID〕はカメラ機能拡張のバンドル識別子です。Windowsの〔CLSID〕はカメラの COM クラス識別子、〔インストール先フォルダ名〕は ProgramData 配下のフォルダ名です。〔組織名〕は自社名に置き換え、PayloadUUID は uuidgen コマンドなどで生成し直してください。

確認

macOS端末ではシステム設定 > プロファイルにプロファイルが適用されていること、Windows端末では対象のレジストリキーが作成されていることを確認してください。そのうえで対象端末でPulseを開き、セットアップが管理者権限の確認なしで完了すること、会議アプリのカメラ一覧にウォーターマーク付きのカメラが表示されることを確認します。

利用者に発生する作業と、伝えておくこと

ワークスペースでウォーターマークを有効にすると、利用者側では次の2つの作業が発生します。

  1. Pulse上で1回だけのセットアップを行い、カメラをインストールする。
  2. 使っている会議アプリごとに、ウォーターマーク付きのカメラを選択する。Zoom、Google Meet、Microsoft Teams など、使っているすべての会議アプリで必要です。ほとんどのアプリは選んだカメラを記憶するため、アプリごとに1回だけの操作です。

あわせて、有効化または必須化の前に次の点を周知してください。

  • ウォーターマークは、文字起こしをしている間だけ表示されます。会議中ずっと映像が記録されることはありません。
  • 対応環境は macOS 14.0 以降と Windows 11 です。
  • 会議アプリのカメラを切り替えるまで、文字起こしが止まることがあります。
  • ワークスペースで必須にしている場合、個人の設定から解除することはできません。
  • 会議の途中でカメラをオフにした場合、その会議ですでに告知が行われていれば(自動チャット通知が送信済み、または会議の前半でウォーターマークを表示済み)文字起こしを続けられます。

ウォーターマーク展開用の周知文テンプレートと、利用者から寄せられやすい質問への回答は、透明性機能を組織で有効にする(管理者向け)にまとめています。従業者を対象とするモニタリングとしての留意点も、あわせてそちらをご確認ください。

利用者向けの手順とトラブルシューティングはウォーターマークの設定(利用者向け)にまとめています。展開の案内にこのページを添えてください。表示が他の参加者の画面で切れてしまうという報告があった場合の、会議アプリ別の設定もそちらにあります。

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解決しない場合は tharada@the-unchain.com までご連絡ください。

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