話者ラベル

発言を話者ごとに振り分ける仕組み、識別できること・できないこと、参加者への告知の考え方です。

話者ラベルは、文字起こしの各発言の上に、その発言をした参加者の名前を表示する機能です。標準では発言が「自分」と「相手」の2種類に分かれるだけですが、話者ラベルを設定すると、会議ツール上の表示名がそのまま名前として付きます。参加者が多い会議の記録を後から読み返すときや、誰の担当として決まった作業かを確認したいときに役立ちます。この記事では、仕組み、対応している会議ツール、識別の限界、記録される名前の扱いをまとめています。

図画面キャプチャ: 話者名が付いた文字起こしパネル

発言のまとまりごとに参加者の名前が表示されている状態です。

利用の前提

話者ラベルはデスクトップアプリ(macOS / Windows)の機能で、文字起こしを行っている間だけ働きます。設定より前に記録された文字起こしに、後から名前が付くことはありません。会議ツールごとに必要な設定が異なります。

話者ラベルの仕組み

話者ラベルは、会議ツールの画面に表示されている参加者名と、いま発話中であることを示す表示を読み取り、文字起こしの各区間と突き合わせています。声紋や音声の特徴量から個人を推定する処理は行いません。そのため、会議ツール側の表示がそのまま結果を左右します。

読み取りの方法は会議ツールによって異なり、Google Meet ではブラウザ拡張機能、Zoom では macOS のアクセシビリティの権限を使います。いずれの場合も、話者ラベルが音声や映像を新たに録音・録画することはありません。文字起こしのための音声の取得は、文字起こしの仕組みで説明している範囲で行われます。

対応している会議ツールと設定方法

会議ツール 対応するOS 必要なもの 設定手順
Google Meet(Chrome または Chromium 系ブラウザ) macOS / Windows Pulseのブラウザ拡張機能 Google Meet で話者ラベルを使う
Zoom(Zoom Workplace のデスクトップアプリ) macOS のみ macOS のアクセシビリティの権限 Zoom で話者ラベルを使う
Microsoft Teams、ブラウザ版の Zoom(Web クライアント) — 現時点では未対応 文字起こしは「自分」「相手」の表示になります

社内の端末にまとめて配布したい場合は、話者ラベルを組織全体で設定する(管理者向け)に、ブラウザ拡張機能の一括配布と MDM による権限の事前付与の手順をまとめています。

会議中の操作

設定を終えたあとは、会議中に特別な操作は必要ありません。いつもどおり会議に参加し、文字起こしを開始すると、文字起こしパネルに参加者の名前が表示されます。

ただし、文字起こしを始める操作は話者ラベルとは別に必要です。Pulseが文字起こしを行うのは、通知や予定からノートを開いたとき、または新規ノートを作成したときに限られます。話者ラベルを設定しただけで、会議に入ると同時に記録が始まることはありません。開始の条件は文字起こしの仕組みにまとめています。

識別できること、識別できないこと

状況 話者ラベルの挙動
参加者がそれぞれ自分の端末から個別に参加している 会議ツールに表示されている名前がそのまま使われます。
会議室の1台の端末から複数人が参加している 同じ端末を通して話す複数人を、個人ごとに区別することはできません。
会議以外の音声がパソコンで再生されている 文字起こしには残る場合がありますが、対応する話者名は付きません。
複数人が同時に話している 発言の一部が正しい話者に振り分けられないことがあります。
参加者が本名以外の表示名を使っている その表示名がそのまま話者名になります。

話者ラベルが使えない場合や設定していない場合、文字起こしは「自分」と「相手」の2つに分かれます。これはマイクから入った音声とシステム音声(パソコンが再生している音声)の区別に対応しています。この状態でも、会話の流れや呼びかけから話者を推測してノートが作られることが多く、名前が違っていればノート上で直接書き換えるか、チャットに修正を指示できます。

名前の誤りを直す

話者名が誤っている場合は、ノートの該当箇所を直接編集できます。同じ誤りが文字起こし全体に及んでいるときは、チャットで「〇〇という話者名を△△に置き換えて」と指示すると一括で直せます。専門用語や社名の認識精度については文字起こしのカスタマイズもあわせてご覧ください。

話者ラベルと個人情報の扱い

話者名は個人情報に当たる場合があります

話者ラベルとして記録される名前は、会議ツールに表示されている参加者の表示名です。氏名が表示名として使われている場合、文字起こしに残る話者名は、発言内容と結び付いた個人情報に該当しうると考えられます。個人情報の保護に関する法律のもとでは、録音や文字起こしによって個人情報を取得する際に、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに利用目的を本人に通知または公表することが求められます。日本法上、会議の当事者による録音そのものに全員の同意を必要とする一般的な規定はありませんが、誰の発言かまで記録として残ることを考えると、会議の冒頭で記録の目的と保存範囲を伝えておくほうが、後から問題になりにくいといえます。具体的な考え方と告知の文例はAI議事録をどこまで使ってよいか(チーム向けガイド)にまとめています。

参加者にPulseの利用を知らせる役割は、話者ラベルではなく透明性機能についてで説明している機能が担います。会議中に告知を出したい場合は、そちらを設定してください。

話者ラベルを止める

話者ラベルを使いたくない場合は、読み取りに使っている設定を解除します。Google Meet ではブラウザ拡張機能を削除または無効化し、Zoom では macOS のアクセシビリティの権限をオフにすると、文字起こしは「自分」「相手」の表示に戻ります。組織として一部の部門だけ対象外にしたい場合の考え方は、話者ラベルを組織全体で設定する(管理者向け)にあります。

うまくいかないときは

Q. 設定したのに話者名が表示されません

A. まず、その会議が対応している会議ツールで行われたかを確認してください。Google Meet は対応するブラウザ、Zoom は macOS のデスクトップアプリが条件です。そのうえで、設定 > 環境設定 > 話者ラベル の該当する行が 有効 になっているかを確認します。詳しい確認手順はGoogle Meet で話者ラベルを使うとZoom で話者ラベルを使うに記載しています。

Q. 過去の文字起こしに名前を付けられますか

A. 付けられません。話者ラベルは記録中にのみ働くため、設定前に作られた文字起こしには適用されません。過去のノートについては、ノート上で話者名を書き加えるか、チャットに整理を指示してください。

Q. 一部の発言にだけ名前が付きません

A. その時点で会議ツールが発話者を明確に示していなかった場合や、会議室の共有端末から複数人が話していた場合に起こります。会議以外の音声が混ざった区間にも名前は付きません。

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← 会議前ブリーフ話者ラベルを組織全体で設定する(管理者向け) →